違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた
塚本堅一さん(元NHKアナ/46歳)
違法薬物の所持や使用で逮捕される芸能人のニュースはよく聞くが、アナウンサーはあまり聞かない。しかも、NHKの、となると前代未聞だった。2016年に危険ドラッグ“ラッシュ”の製造・所持で逮捕された塚本堅一さん。塚本さん、今どうしているのか。
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塚本さんに会ったのは、東京メトロ・水天宮前駅近くにある、NPO法人ASK(アスク)=アルコール薬物問題全国市民協会の事務所。
「2018年に始まったASK認定の依存症予防教育アドバイザーの資格を1期生として取得後、薬物問題の当事者として講演会で話をしたり、飲酒運転防止インストラクターの資格も取ったので、飲酒運転防止に関する啓発動画を制作したり、忙しく過ごしています」
まずはこう言った塚本さん、経験を生かした活動をしているのだ。
「私が手を染めてしまった“ラッシュ”に依存性はなく、私自身は依存症に苦しんだわけではないので、逮捕され罰金刑が確定した後の社会復帰の方が大変でした。NHKをクビになり、住んでいたアパートも出ることになり、3歳年上の姉の部屋に居候させてもらいながら就職活動をしました。でも、面接にすらたどりつけませんでした。当たり前とはいえ、想像以上に厳しかった。一時はうつになり、自暴自棄になって命を絶とうか、とか、薬物に逃げようか、と思ったこともあります。だから、再犯を繰り返す人の気持ちがよくわかる。私は支援者につながれたおかげでそうはならなかったので、薬に依存していく人、再犯を重ねてしまう人を減らすべく尽力したいと思っています」