違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた
「ダメ。ゼッタイ。」というキャッチコピーを掲げる、これまでの薬物問題の啓発とは違ったアプローチの中高生向け書籍を準備中だという。
「私自身がカウンセリングや依存症回復施設の回復プログラム、依存症の自助グループのミーティングに参加することで、回復・復帰できましたから。ただ、1年半もかかりました。もっと早く支援者らにつながれたらよかった。薬物問題などで困難を抱える人は、他人に弱みを見せられず頼れない人が少なくないんです。かつての私もそうでした。何か問題に直面したら我慢しよう、自分ががんばればいい、と考えて生きてきました。でも、ひとりでは限界があることを知りました。かつての私のように、つまずいたままひとりで苦しんでいる人たちに、“理解者、支援者は意外にいるんだよ”と知らせたいと思っています」
執筆業のほか、日本各地の保護司に向けた再犯防止のための講演会や、“修学旅行で社会問題を探求するスタディーツアー”を提供する企業から依頼を受け、高校生らに経験を語ることが、今の主な仕事だそうだ。
「何とか生活できるくらいの収入にはなっています。講演や取材のない日も、朝8時には起きて、着替えて、間借りしている友人のオフィスに出かけ原稿に取り組んでいます。息抜き? 何ですかね……。薬物の自助グループのルールもあってお酒は完全にやめてしまったし、高血圧でサウナは自粛しているし、血糖値が高くなりチョコなど甘いものも減らしているし……。中年になると、楽しみすら制約が出てきて世知辛いですね(苦笑)。キャンプかな。沖縄に住むパートナーと楽しんでいます」