夏木ゆたかさん ラジオ番組「ホッと歌謡曲」は26年目 6000回以上続けている原点

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夏木ゆたかさん(歌手・パーソナリティー/76歳)

 歌手として活動する一方で、ラジオのパーソナリティーとして長年、冠番組を続けている夏木ゆたかさん。ラジオ日本の「夏木ゆたかのホッと歌謡曲」は26年目で、放送回数は6000回を超えた。歌謡曲一筋の思い出をうかがった。

  ◇  ◇  ◇

 出身は千葉の銚子ですが、高校を卒業して新宿に引っ越してからほぼ新宿の住人です。今、住んでいるマンションは移ってもう20年以上になります。歌謡曲にずっとこだわって生きてきて、その来し方がわかるのは住まいの記憶ですね。

 中2の時に姉が住んでいた東十条のアパートに泊まった時のこと。ラーメンを食べに行き、帰りに坂道を歩いていたら流れてきたのが舟木一夫さんの「高校三年生」でした。その時に「いい歌だな」としみじみ思いました。そして、将来は歌手になるという人生の目標が決まりました。

 中学時代に「ラ・セーヌヒットソングアワー」というラジオ番組があり、それを聴いて歌手になるためのオーディションがあると知り、銚子から当時はまだ蒸気機関車の始発に乗り、4時間かけて新宿コマ劇場近くにあったラ・セーヌというジャズ喫茶に向かい、そこのステージで三田明さんの「美しい十代」を歌い、その時、「今度ウチのレッスンに来なさい」と声をかけてくれた人がいて毎週日曜に通うことになります。朝早い時間から僕が熱心に通うので「改めて聞くけど、あなたはどこから来てるの?」と言われ、「銚子です」と答えたら、「えっ? 調布じゃないの」と呆れられましたけど。

 親は毎週どこに出かけているのかと不思議に思っていたようです。事情がわかると、「芸能界はダメ」と大反対。姉だけが「応援する」と言ってくれて、親も「高校に受かったら許す」となって何はともあれ受験です。

 銚子で高校受験といえば、西武の石毛宏典が入った進学校の市立銚子か巨人の篠塚和典の銚子商業のどちらかです。先生には「君の成績では市立は難しい」と言われたけど、市立を受けて運よく受かりました。

 中学時代は卓球をやっていて、銚子商業の合宿に参加していたくらいだから、市立銚子でも卓球部に誘われたけど、「歌手になりたいから」と断りました。卓球よりも歌手になるためにはどこに転校すればいいか、頭の中にあるのはそのことだけだったので、徹底的に高校を調べました。

 舟木さんが通った東京の自由ケ丘学園はどうかと思って学校まで行ったら、生徒がみんな舟木さんに見えて(笑)。ただ授業料が高かった。舟木さんの弟分としてデビューしていた安達明さんの高千穂高校(休校)も考えたけど、そこは船乗りになる高校だと周りからいい加減なことを言われ諦め、さらにあおい輝彦さんの日大鶴ケ丘は入学金が高いから諦め、三遊亭円歌師匠(当時は歌奴)の岩倉高校は切符切りからやらされるゾと言われて……。

 結局、ダニー飯田とパラダイス・キングのボーカルの佐野修さんの母校の足立高校に入ることになった。北千住にある高校です。試験で落とされそうになったけど、面接の先生に「ここを落ちたらどうするの?」と聞かれたので、「目標は歌手になることなので修業に入ります」と言ったら、「そうか、受け答えもきちんとしているから、合格にする」って。

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