6畳一間に居候 グレート義太夫も呆れたダンカンの“悪癖”
布団は電熱マット。薄汚れてる上にカバーが擦り切れてニクロム線が露出してるのには参りました。真冬でもスイッチを入れられないんです、触れると間違いなく感電しちゃうから(笑い)。
給料? 月給代わりに殿が軍団メンバーに“お小遣い”をくれて、それが生活費。僕は3万円からスタートでした。月給3万円というと今ならブラック企業だけど、「お小遣い3万円」なら、なんとなくたくさんもらってるような錯覚をしてしまうから、不思議なものでね。それと殿にくっついていれば飯の心配はしなくてよかったし、気まぐれで別途お小遣いももらえたから、貧乏ではあってもお金の面での不満はとくになかったです。
■終わるまで廊下で待機したことも……
ただ、困ったのがダンカンさん。立川談志師匠のお弟子さんから、軍団に移籍したぐらいでしたから、お笑いに関してはある意味ストイック。四六時中「ネタを考えろ」と、ムチャぶりばかり。
例えば、「弁当食べたい」「たばこ吸いたい」って“お使い”を頼むのにしばしばお金くれないんですよ。早い話が「店で芸をやるか、店主を笑わせて、タダでもらって来い」ってワケ。最初の何回かは通用しても、そのうち相手も身構えますからね。簡単にはいかないですよ。でも、手ぶらで帰るとダンカンさんが怒鳴り散らすから、面倒くさいので自腹です。理不尽に感じたことはしょっちゅうでした。