<4>夜中に知ったドン・ファンの死 早貴被告は消え入りそうな声で…
■消え入りそうな早貴被告の声
「だって夕方には元気な声でボクと話したんですよ。なぜ?」
「死因は分からないけど、寝室のソファで亡くなっていたから。さっきまで消防や警察がいて、事情を聴かれていたの。遺体も解剖するからって運んでいったわ。その同意書にさっちゃんがサインしたのよ」
「マコやんは?」
「さっきまで来ていたけど、家に戻ったと思う。(会社の経理の)佐山さんにも来てもらったけど帰ったし」
「さっちゃんは?」
「横にいるわよ」
「ちょっと代わってくれませんか」
「もしもし。早貴です」
「ああ、大変なことになったなぁ~。俺は今日行くからしっかりするんだよ」
「……分かりました」
消え入りそうな声だった。 =つづく