著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<5>市内の一等地にあるドン・ファンの会社「アプリコ」

公開日: 更新日:

 野崎幸助さんが殺害された2018年5月24日の深夜、私は早貴被告を電話で励ましていた。その時ふと、「結婚3カ月で旦那が死亡とは。まるで小説のようだな」と思った。この時はまだ事態をうまくのみ込めず、この後で本当に小説のような展開になるとは、考えられなかった。

「社長死んだって?」

「そうやで。オレも今さっき自宅に帰ってきたんやが、あっけないもんやのぉ~」

 電話の向こうは番頭のマコやんだった。ドン・ファンを取材しに何度も田辺へ行った私に夜の居酒屋まで付き合ってくれたウマの合う間柄である。

「オレは夕方に社長と電話で話をしたよ」

「知っているって。社長は『吉田さんが来てくれる』って喜んで会社に電話してきたんだから。それなのになぁ~」

「まあ、今日行きますからよろしくお願いしますね」

「分かった。気を付けてな」

 社長がこの世の中にいない。彼との出会いの数々が脳内を走り回っていた。もう寝ることなんかできない。クローゼットから喪服を取り出してキャリーバッグに詰めだした。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に