<5>市内の一等地にあるドン・ファンの会社「アプリコ」
酒類販売をしているドン・ファンの会社「アプリコ」は、田辺市朝日ケ丘という住所が示すように小高い丘の上にあった。近くには西牟婁総合庁舎などがあり、海に面している田辺市内でも一等地とされている。
田辺市は海に近い住宅地が多く、東日本大震災級の津波がくれば大きな被害を受けるのは避けられそうもない。和歌山県はそのために住宅を高台に移転させることを試みているが、なかなかうまくいっていないのが現状である。
田辺市役所も海辺まで歩いて2、3分ほどの目の前に田辺湾が広がる風光明媚な場所にあるが、東日本大震災の教訓から小高い丘の東山に新設することが決まり、2019年の暮れから工事が始まっている。この土地を巡って市とドン・ファンの間に疑惑があるが、それは後述しよう。
田辺市のお金に余裕がある世帯が移転したがっている候補地の一つが朝日ケ丘で、この地の不動産価格が上昇しているのがその証拠であろう。
アプリコは酒類販売といっても、まちの小売りの酒屋とは異なり、和歌山県内はもとより、三重県の大型ホテルにも販路を持っている会社だ。従業員は6人で男性5人に女性が1人である。