新事実が続々判明 「パーキンソン病」は予防可能な時代に

公開日: 更新日:

便秘や嗅覚低下なども症状も

 パーキンソン病の治療は、不足するドーパミンの補充や分泌促進のための薬の服用が行われる。しかし、運動症状以外の症状には効果が見られず、便秘などはかえって悪化した。

 つまり、「脳の黒質のドーパミンの分泌が減ることで、パーキンソン病のすべての症状が説明できる」という考えが当てはまらなくなってきたのだ。

「研究で、α―シヌクレインというタンパクとの関係が徐々に明らかになりました。ドーパミン神経細胞の減少は、α―シヌクレインの異常な蓄積が原因である可能性が考えられています。さらに、腸管の神経に蓄積して便秘を、嗅覚の神経に蓄積して嗅覚低下を、それぞれ起こすのではないかと指摘されている。現在では、αーシヌクレインが体のいろいろな神経に蓄積されることが、パーキンソン病の原因の可能性が高いと考えられています」

 パーキンソン病は、がんの腫瘍マーカーのような発症のリスクを表す指標がなく、予防的治療は不可能だった。しかし、運動症状より前の症状の中で、特にレム睡眠行動異常症が見られる患者は、その後、パーキンソン病を起こす確率が高いこともわかってきた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」