いますぐ糖尿病予防を始めるなら「減塩」を習慣化すべし
糖尿病は50歳以降で急激に増えるが、“スタート”は50歳よりはるかに前だと指摘するのは、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の坂本昌也医師だ。
糖尿病発症の“芽”は、多くは入社数年後の20代半ばから始まる。暴飲暴食が増え、車での移動が多くなり、“運動量”はぐっと減るからだ。30代後半~40代で血糖値やHbA1cなど数値の高さを指摘されるようになり、50代になってニッチもサッチもいかなくなる。
「糖尿病が怖いのは、知らないうちに動脈硬化が進行し、脳卒中、心筋梗塞のリスクを高め、突然死の恐れも出てくることです。同じく動脈硬化の要因である高血圧や脂質異常症があれば、リスクは格段に高くなる。早い段階で糖尿病、高血圧、脂質異常症への抜本的な介入をしなくてはならないのですが……」
こうした専門家が鳴らす警鐘も本人に届いていないことが大半だ。
自覚した時が吉日。すぐ対策を講じたい。基本は、バランスのとれた規則正しい食生活と適度な運動。しかし、これをすぐに実行し、かつ継続できる人はそもそも動脈硬化の進行を放置してはいないだろう。そこで坂本医師は「どれか一つ対策を実践するなら」と減塩を勧めている。