高血圧の放置が悪循環を招く 「腎臓と心臓」の密接な関係
心臓疾患は60歳を越えてから増え始め、80~89歳で最も多くなります。高齢になるにつれ、心臓にトラブルが発生しやすくなるということです。高齢になると、心臓以外にも病気を抱えているケースがグッと増えます。そのため、高齢化が進んでいる近年は、心臓手術を受ける患者さんは、他の病気を合併している状態が当たり前になってきています。当然、治療するに当たっては、心臓だけが悪い患者さんよりも注意しなければなりません。
がんや糖尿病など合併している病気はさまざまですが、中でも外科医が手術をする際、最も気にかけるのが「腎臓」です。最近は「心腎連関」という言葉が注目されています。心臓疾患と腎臓疾患はお互い、密接に関係していることがわかってきているのです。
日本では、高血圧が心臓疾患をはじめ、さまざまな病気のベースになっているケースが非常に多く見られます。血圧というのは、高い状態が長ければ長いほど動脈硬化が進み、血管も傷みます。そして、血管が傷めば重要な臓器がダメージを受けることになります。そして、高血圧は特に腎臓に対して大きなダメージを与えるのです。