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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

都立病院は赤字転落も 大量の税金投入でも全体収支が悪化

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 病院のフトコロ具合は、どこも火の車といわれています。とくに大都市圏の病院は、人件費を含む経費が割高になる傾向があり、苦しくなる一方だとか。

 病院経営の実態は診療にも少なからぬ影響を与えます。その実態は決算書で分かります。情報公開の流れを受けて、国公立病院や公的病院(旧労災病院、旧国保病院など)の決算書が、インターネットのホームページに掲載され、誰でも閲覧できるようになりました。大学も私立を含めて決算書の公開が義務付けられているため、大学病院の経営状況を垣間見ることも可能になりました。そこでこの連載では、首都圏・関西圏・中京圏などの大病院を中心に、決算書や関連するデータを使って、経営状態を明らかにしていこうと思います。

 最初に都立病院を見ていきましょう。全部で8病院ありますが、都の「病院経営本部」が統括しており、グループ全体の決算書が公開されています。〈表〉は2013~15年度の損益計算書(1年間の売り上げと経費をまとめたもの)の一部を抽出したものです。

 とくに重要なのは、本業の稼ぎを示す「医業収支」です。本業の売り上げに相当する「医業収益」は2013年度には1293億円だったのが、15年度には1336億円に増えました。ところが本業にかかった経費である「医業費用」に目を移すと、もっと大きな数字が並んでいます。そのため差し引きの医業収支は毎年赤字。しかも赤字額は177億円から208億円へと増え続けているのです。

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