都立病院は赤字転落も 大量の税金投入でも全体収支が悪化
■毎年240億円の「医業外収支」の大半は税金
これでは経営が成り立たないはずですが、そこは都立病院のこと。本業以外の収入である「医業外収益」(その大半は都と国からの負担金・補助金)が毎年240億円前後もあります。そのため、全体収支で見れば黒字決算となっているのです。
なお、14年度の特別利益(462億円)と特別損失(396億円)は、退職給付引当金の見直しに伴う出入りで、実質的には66億円の収入でした。14年度の全体収支は78億円でしたが、この分を除けばわずか12億円に過ぎなかったわけです。毎年大量の税金を注入し続けても、全体収支も悪くなる一方という実態が見えてきます。16年度の決算はまだ公開されていませんが、何かまた大きな特別利益でも生じない限り、全体収支も赤字転落する可能性がありそうです。