尿タンパクで「様子見を」…安心か否かは尿潜血で見極める

公開日: 更新日:

 これらのケースなら、問題ありませんが、背景に腎臓の病気が隠れているかもしれません。「様子を見ましょう」で安心できるのは、尿潜血がない場合です。尿潜血があれば、腎臓の異常を否定できません。腎臓は、高血圧の影響で機能低下が進むため、高血圧を合併していると、なおさらです。

 では、腎臓は、どんな病気でしょうか。膀胱炎や急性腎炎などにかかった人では、慢性腎炎を念頭に血尿をチェック。血尿とは、目で見えるような赤い尿ではなく、肉眼では分からないレベルの尿潜血です。テステープという試験紙で、すぐに分かります。テステープが正常で、高血圧でなければ、腎炎は除外していいでしょう。

 腎臓に関連する病気はほかにもあって、尿路結石や尿路感染症、腎硬化症、糖尿病性腎症、腎臓がん……と幅広い。腎硬化症や糖尿病性腎症などは治療が遅れると、腎機能が低下し、人工透析を余儀なくされます。そうなると生活が大きく損なわれますから、「様子を見ましょう」と言われた人は、定期的なチェックが不可欠です。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

【連載】医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」