感染リスクはゼロにはできない 気にすべきは「ウイルス量」
「よく専門家は新型コロナウイルスを含む飛沫の大きさは5マイクロメートル(1マイクロメートルは0・001ミリメートル)から500マイクロメートルぐらいという話をします。ところが、一般の人はその話の重要性を理解できていません。それは5マイクロメートルと100マイクロメートルの大きさの差を実感できないせいもあるでしょう」
両者は例えていうと直径5センチの球と直径1メートルの球ほどの違いがあり、体積では8000倍の差がある。体積とウイルス量が比例すると考えれば、両者の感染リスクの差は8000倍ということになる。
「咳や会話で飛沫は2メートルほど飛ぶといわれていますが、大きな飛沫は直径が100~500マイクロメートルほどあり、その重さ故に口元から数センチから十数センチ先に落ちます。その位置に飲食物があれば当然感染リスクは高くなります。だからこそ、大勢の飲食は感染リスクが高いのです。とくに小分けせずに大皿から食べるのは危険です」
一方、エアロゾルと呼ばれる0・5マイクロメートル未満の小さな飛沫が口や鼻から侵入して感染する可能性はあるが、そのウイルス量を考えれば感染リスクは100マイクロメートル以上の飛沫の比ではない。空気の流れを止めずにエアロゾルを拡散させるように換気すれば、感染リスクはさらに低くなる。
「専門家の中には感染リスクが低く自分もよくわかっていないのに海外の研究論文の結果をうのみにして危機感をあおっている人もいます。一般の人はそれに惑わされず、自分でできることを気にかけ、そうでない事柄は気にしないことです」