世界初の合剤も登場 増加傾向にある「喘息」治療の最新情報
■新薬は気道を拡張させる作用が強い
喘息の治療は2本柱で行われる。
日常的に使用するのが、ICS(吸入ステロイド剤)やLAMA(長時間作用性抗コリン剤)、生物学的製剤などの「長期管理薬」だ。気道炎症を抑え、呼吸機能を改善し、喘息発作を起こらないようにする。
一方、発作時に使用するのが「発作治療薬」。「発作が起こったときだけ薬」では、喘息はコントロールできない。
今回発売された世界初の3つの成分の合剤「エナジア」は、日常的に服用する長期管理薬に属する。
「LABA(長時間作用性β2刺激剤)、LAMA、ICSの合剤で、いずれももともと喘息治療で使われている薬です。特にLAMAは気管支拡張作用が非常に強く、5分くらいで拡張作用が出て、効果が長く持続します。そのため患者さんへのインパクトが大きい」(東田医師)
吸入型の薬を複数使用している患者にとって、1日複数回の吸入や異なる吸入器の使用などが飲み忘れにつながりやすい。
50%以上の喘息患者に1カ月に1日以上の吸い忘れがあるとの調査結果もある。今回の3つの成分の合剤は、吸い忘れ防止にも役立つ。
一般的に、LABAとICSの合剤で十分にコントロールできなかった場合に、「エナジア」の処方が検討される。