難治性喘息にはステロイド薬ではなく副作用の少ない新薬を
喘息患者のほとんどは、日頃の長期管理薬の吸入・服用と、発作時に使用する発作治療薬とによって症状をコントロールできます。
しかし、5~10%ほどは薬を正しく服用してもしばしば喘息の増悪を繰り返します。薬で症状コントロールができない喘息、または高用量の吸入ステロイド薬や全身性ステロイド薬など副作用が心配される薬が必要となる喘息を「難治性喘息」といいます。
難治性喘息の患者さんは医療費がかさみますし、学校や仕事を頻繁に休まなければならなくなり、日常生活に支障をきたします。急激な発作を起こして治療が間に合わず、死に至る患者さんもいます。
今回の3年ぶりの改訂版「喘息予防・管理ガイドライン2018」では、重症喘息に対して近年保険適用になった「生物学的製剤」や「気管支熱形成術(気管支サーモプラスティ)」も、治療指針に加えられています。
生物学的製剤とは、従来の喘息治療薬とは異なる作用機序を持つ薬で、喘息発作につながるIgEやサイトカインなどの炎症物質に直接作用します。