著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

仮眠を26分とると仕事のパフォーマンスが34%向上する

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 着目すべきは昼寝は昼寝でも“短期的な昼寝”であった点。この実験では、30分以上寝ると生産性が落ちることも実証されています。寝た分だけ回復するわけではないんですね。

 たとえば、1時間の昼休みがあるなら、30分は食事の時間に充て、30分弱の仮眠をとってみる。それによって午後からの仕事に支障をきたす可能性は低くなり、さらには仕事の向上が見込めるのです。また、目を閉じるだけで脳はリラックス効果のあるアルファ波が出るため、「疲れたな」と思ったら5分ほど目を閉じるだけでも効果はあります。

“寝ないで頑張る”という精神論に美徳を感じる方もいるかもしれませんが、積極的に昼寝を取り入れていった方が心身に◎。カリフォルニア大学バークレー校の研究(2011年)によると、同じレベルの学力を持つ被験者たちに記憶力テストを行ったところ、「寝ないグループ」より「昼寝グループ」のほうが成績が良かったという結果も出ているほどです。“覚醒させるための昼寝”を取り入れる方が、仕事を積極的にはかどらせるためには大事なのです。


 また、昼寝は健康面においても重要性が説かれていて、ギリシャのアテネ大学の調査(2007年)では、成人を対象に30分間の昼寝を週に3回以上とっている人は、心臓病死のリスクが約37%低下することも明らかになったそうです。この数字を聞いて、目が覚めた人も多いのでは?

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