ワイン好きは白内障になりにくい? 米国眼科学会誌に論文掲載
■因果関係を判断するにはさらなる研究が必要
実は同様の研究は2014年にも報告されていたが、当時は対象とする数が少なく「有意差なし」とされていた。2つの大規模研究で証明されたことはこの話が本当だと考えてよいのか?
「まだ明確ではありません。白内障手術のリスクの低下はお酒に付随した別の要因、たとえばおつまみなどが本当の原因であることも考えられます。その意味で、アルコール摂取と白内障手術のリスク低下の関連が、本質的な因果関係になるかどうか最終判断するには、さらなる研究が必要です」
とはいえ、お酒好きにとっては、飲酒のメリットが増えるのはうれしい話。
「ただし注意したいのは、これは白内障に限った話だということです。お酒は心臓や血管の病気など多くのプラス効果がありますが、がんなどその他の病気にとってマイナスであることもわかっています。結果、トータルでは『お酒は飲まない方がいい』というのが別のコンセンサスです。飲むとしても少量にとどめるのが賢明です」