コロナ禍の新生活が「難聴」のリスクを高める 30~40代で聞こえづらくなる人も

公開日: 更新日:

■徐々に進行するため自覚が困難

 隠れ難聴という言葉があるように、聞こえの悪さは少しずつ進むので、自覚しづらい。思っている以上に、聞こえが悪くなっているかもしれない。だとすると、放置してはいけない。

「2020年、世界的に権威のある医学誌ランセットに『認知症の最大の危険因子は難聴』という内容が織り込まれた論文が発表されましたが、それでは認知症対策のためには、45~65歳のうちから難聴を放置してはいけないとしています」

 慶応義塾大学耳鼻咽喉科名誉教授の小川郁氏は、10~99歳の日本人1万681人の聴力を2000~10年と、2011~20年で比較。すると、加齢によって低下する高音域の聴力は、全年齢層において後半は改善したが、低い音域の聴力は40歳以下の若い世代で悪化していた。低音が低下している理由は不明だが、若いからといって「よく聞こえている」とは言えないということだ。

 聴力は、ささいなことにも影響を受ける。WHOが示す一日に許容される音の大きさと時間では、ヘアドライヤーの音は15分が限度。地下鉄車内の騒音も15分だ。雷は3秒、救急車や消防車のサイレンは9秒。ヘッドホンやイヤホンで周囲を気にせず音楽を楽しんでいる場合、ヘアドライヤーの音量より大きい可能性は高い。ちなみに、コンサート会場の音は28秒が限度とされている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題