著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

杉田あきひろさんは躊躇も…喉頭がんは治療の代償が病期で大きく変わる

公開日: 更新日:

 しかし、杉田さんはステージ3。この病期は、ほかの臓器への転移はないものの、リンパ節転移への可能性があります。治療を延期される前の説明で「相当痛い」との説明を受けていることからリンパ節転移があるのかもしれません。

 リンパ節転移がなければ、放射線の照射は喉頭のみで抗がん剤も使用しません。リンパ節転移があると、リンパ節も含めて照射するため範囲が広くなる上、抗がん剤も使用します。抗がん剤も重なる分、副作用も強いのが一般的です。

 粘膜や皮膚に放射線が当たると、炎症が発生。特に粘膜の炎症が進むと、表面がただれ、痛みが現れます。放射線が当たっていない部分には現れませんが、抗がん剤を同時に使うケースは、痛みがより強くなりやすいのです。

 のどの痛みの強さによっては食事ができなくなることもあり、一時的な胃ろうで栄養をまかなうことも珍しくありません。がんは違いますが、喉頭と近い部位の食道がんで化学放射線治療を受けている女優の秋野暢子さんも一時的な胃ろうを増設。痛みについては「喉に剣山が刺さっているよう」とつらさを表現しています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…