「訪問診療」はお金持ちだけのサービスではない 年間200人を自宅で看取る名医が解説
「訪問診療はお金持ちだけのサービス」との誤解がいまだに世間でまかり通っていることには驚かされる。原因は通院可能な人の「通院医療費」と比べるからだ。しかし、訪問診療は「病院に行けない人」の診察であり、通院医療との比較に意味はない。しかも、在宅診療は一度の診療の対価ではなく、24時間365日いつでもしっかり往診に行き、重症度の高い患者にも緊急対応できることが担保された値段でもある。
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年間200人を自宅で看取る「しろひげ在宅診療所」(東京・江戸川区)の山中光茂院長に改めて話を聞いた。
「病院に行けなくなった」人の選択肢は3つある。「入院」「施設入所」「訪問診療」である。
「入院では、差額ベッド代や食事が取れない患者にも食事代がかかるなど医療費以外の費用がかなりかかります。しかも、そこには保険適用はありません。また、重症度が高い患者では病状が固定していても病院の一定ルールに基づき、さほど必要ではない画像検査や採血を頻繁に行うので、その費用も加算されます」