「訪問診療」はお金持ちだけのサービスではない 年間200人を自宅で看取る名医が解説
もちろん、一定以上の収入がある高齢者や70歳未満の3割負担の人は、1万8000円より上限額は上がる。
「ただし、医療費が一定以上の額になれば、国の高額療養費制度を使って3カ月後には限度額を超えた部分の還付を受けられます」
■年金生活者でも賄える
重症度が高い患者を在宅でサポートする上で重要なのは医療以上に介護サービスだ。その費用はどうか。
「家族の負担を減らすための介護サービスには費用がかかります。ただ、その負担を軽減するために、多くの人が40歳から介護保険料を払い続けており、社会全体で介護サービスを維持しています。65歳以上の一般所得者は1割負担ですし、40~65歳未満で介護保険の適用となるがん末期や特定疾病の方も1割負担です。介護度によって、介護が使える限度は決められていますが、最も軽い要支援1で月約5000円、最も重い要介護5の人で月約4万円まで利用ができます。それを超える介護サービスは保険適用でなく、自費での支払いになります」