新型コロナ後遺症で現れる心臓の症状への適切な対処法
新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行してからもうすぐ2年になります。5類感染症とは、感染症法での分類のうち、感染力や重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が最も低いとされるものが該当します。
たしかに、ワクチンの普及やウイルスの弱毒化などによって、新型コロナ感染症の重症化率や死亡率は大幅に下がっています。しかしその一方で、「ロングコビット」と呼ばれるいわゆるコロナ後遺症に悩む人たちはいまだに少なくありません。WHO(世界保健機関)によると、コロナ後遺症は感染者のおよそ10~20%に発症するとされていて、診断から数年後にも症状が残っているケースも報告されています。いまの新型コロナ感染症は急性期の治療だけでなく、慢性的に抱える後遺症が問題になっているのです。
コロナ後遺症の症状はせき、息切れ、疲労・倦怠感、記憶障害、集中力低下、味覚障害、嗅覚障害などさまざまですが、中でも、動悸、息切れ、胸痛、頻脈といった心臓症状を訴えるケースが目を引きます。なぜ、新型コロナウイルス感染の後遺症として心臓症状が起こるのかは、はっきりわかっていませんが、いくつか研究が報告されています。