ニンニクは「臭い」がなければ高い健康効果が受け取れない理由…専門家に聞いた
「DADSやDATSといったスルフィドには、がん細胞の増殖を抑えてがん細胞を消滅させる効果があることが報告されています。スルフィドの働きの特徴は、がん細胞を自ら滅びていくアポトーシスという現象を起こさせているという点にあります」
世界の地域ごとの、がん発生状況と食品摂取の相関関係を調べた海外の研究では、ニンニクの摂取量が多い地域や人では、乳がん、肝臓がん、前立腺がん、胃がん、咽喉がん、結腸がんなどの発症リスクが低いことが認められているものもある。
冒頭でも触れたように、こうしたニンニクの効果を享受するには「臭い」がするよう調理することが肝心だ。
「ニンニクを丸ごと、いくつも食べるよりも、すりおろしてから少量だけ摂取するほうがより高い健康効果を期待できます。すりおろしたニンニクは刺激が強いため、大量に摂取すると胃を痛めたり、腸の免疫機能にダメージを与える可能性があるので取りすぎは禁物です。また、スルフィドは油に溶け出しやすいので、イタリアではニンニクを使うパスタ料理のペペロンチーノを調理する際は、スライスしたニンニクを焦がさないようにオリーブオイルでゆっくりと加熱します。そうすることで、スルフィドを効率的に摂取できるのです。スライスしたニンニクを油で揚げたニンニクチップでも有効成分は摂取できます」
ニンニクは臭くなければ“真価”を発揮できないのだ。