便秘持ちは“健康に”長生きはできない…高血圧だと脳卒中やくも膜下出血のリスクが上昇
便が出づらい、排便後すっきりせず残便感がある、コロコロした便や水便、いきまないと便が出ない、腹部膨満感をはじめとする不快症状がある──などに該当するなら、慢性便秘症を疑い、内科や消化器内科を受診するべきだ。便秘そのものの改善に加え、関連している病気の早期発見、早期治療につながる。
慢性便秘症であれば、治療はどうなるのか?
「慢性便秘症には、排便回数減少型、排便困難型などいくつかのタイプがありますが、たとえば排便困難型は便を指でかき出さないと出ないといったふうに症状がかなりひどい。『便秘があるけど何とか自分で対処してきた』といった人のほとんどは排便回数減少型です。適切な便秘薬の使用と生活習慣の改善で対処できます」
12年以降の新薬は効果が高いが、それらの薬を用いらずとも、多くの場合、従来の酸化マグネシウムで快適な排便を取り戻せる。
「酸化マグネシウムは古い薬で、臨床結果などのエビデンスはなかったのですが、私が兵庫医科大学のグループで行った研究で、酸化マグネシウムと偽薬の二重盲検法によって、酸化マグネシウムが効果と安全面で偽薬より有意に優れていることを確認しました。ただ、長期間使い続けたり、使用量が多いと体内に吸収され、危険な高マグネシウム血症を発症する恐れがあります。特に腎機能が衰えている人、高齢者で注意が必要です。医師の管理のもとに使用してください」