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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

認知症とは違う「物忘れ」も生活習慣で予防できる 一流医学誌で報告

公開日: 更新日:

 年を取ると誰でも自覚するのが「物忘れ」です。何かをしようと思って、2階から階段を下りてきて、1階に来たらもう何をしようとしたかを忘れてしまったり、テレビで見る芸能人の名前を毎回忘れてしまったりした時、「ああ、年を取ったなあ」と感じます。

 こうしたちょっとした物忘れは、多くは正常な加齢に伴う体の変化で、必ず認知症につながる、というものではありません。しかし、正常なことであっても、物忘れを予防したいのは当然の願いです。認知症の予防のためには、食事運動、節酒といった、生活習慣が重要であることが、これまでの多くの研究で分かっています。ただ、これは病気としての認知症の話で、自然な物忘れのことではありません。

 それでは、物忘れ自体を予防するには、どうすればいいのでしょうか? 今年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという一流の医学誌に、中国での大規模な調査結果が報告されています。

 3万人近い60歳以上の一般住民を10年以上にわたり調査したところ、認知症予防に有効とされる、健康的な食事、運動習慣、節酒、禁煙、脳を使う活動などの良い生活習慣を継続していると、不健康な生活をしている場合と比較して、物忘れの進行も予防されていることが確認されたのです。

 物忘れを進めないためにも、地道に良い生活習慣を続けることが重要であるようです。

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