著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

腰の痛みはAIで改善できる? 米国医師会内科専門誌で研究報告

公開日: 更新日:

AI」という言葉を頻繁に聞くようになりました。

 将棋も名人よりAIが強いことは、正面切ってそうは言わなくても常識のようになりましたし、人間のやっている多くの仕事がAIに取って代わられるようになりました。

 医療も例外ではありません。医療従事者がしていた多くの仕事を、AIが代わりにするための研究が進められています。すでに人間では見落としの多い画像診断などでは、部分的にAIの導入が始まっています。

 昨年の米国医師会の内科専門誌に、腰の痛みの治療をAIで行うという臨床研究が発表されています。慢性の腰の痛みの多くは原因不明で、痛み止めや湿布以外にあまり有効な治療がありません。最近注目されているのは、認知行動療法という心理療法の一種で、専門のセラピストが指導することにより、痛みが軽減することが分かっています。

 しかし、この治療は非常に時間がかかり、多くの患者さんに行うことは現実的ではありません。そこでAIを活用した認知行動療法のプログラムを作り、それを腰痛の患者さんに使用してもらうことを試みたのです。もちろんセラピストの補助の下に行うのですが、その治療の効果は、それまでのAIを使用しない治療と同等で、セラピストの時間的な負担は半分になることが確認されました。

 専門的な治療もAIで、という時代がもうそこまで来ているのかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…