腰の痛みはAIで改善できる? 米国医師会内科専門誌で研究報告
「AI」という言葉を頻繁に聞くようになりました。
将棋も名人よりAIが強いことは、正面切ってそうは言わなくても常識のようになりましたし、人間のやっている多くの仕事がAIに取って代わられるようになりました。
医療も例外ではありません。医療従事者がしていた多くの仕事を、AIが代わりにするための研究が進められています。すでに人間では見落としの多い画像診断などでは、部分的にAIの導入が始まっています。
昨年の米国医師会の内科専門誌に、腰の痛みの治療をAIで行うという臨床研究が発表されています。慢性の腰の痛みの多くは原因不明で、痛み止めや湿布以外にあまり有効な治療がありません。最近注目されているのは、認知行動療法という心理療法の一種で、専門のセラピストが指導することにより、痛みが軽減することが分かっています。
しかし、この治療は非常に時間がかかり、多くの患者さんに行うことは現実的ではありません。そこでAIを活用した認知行動療法のプログラムを作り、それを腰痛の患者さんに使用してもらうことを試みたのです。もちろんセラピストの補助の下に行うのですが、その治療の効果は、それまでのAIを使用しない治療と同等で、セラピストの時間的な負担は半分になることが確認されました。
専門的な治療もAIで、という時代がもうそこまで来ているのかもしれません。