鼻水に不快を感じる「後鼻漏」には要注意…患者は50~60代に多い
「近年、花粉症患者の増加や、新たな感染症の出現などによって、患者数は年々増加しています」
実際、アレジオ銀座クリニックを受診する患者のうち、9割が後鼻漏の症状を訴えているという。
「鼻の炎症を放置した場合、細胞に傷がつき『DAMPs』という成分が放出されます。これは細胞の危機を知らせる信号として機能している成分で、本来は細胞の中から出てくることはありません。しかし一度出てしまうと自身の免疫細胞がそれを攻撃して、新たな炎症を引き起こすようになります。これを自然炎症と呼び、炎症が慢性化すると、この負の連鎖が繰り返され、薬での治療は難しくなってしまいます」
■放置するとうつ病につながるケースも
自然炎症を発症させないためにも、まずは原因となる炎症を初期の段階で根本的に治療し、慢性化させない必要がある。慢性化した人はかなり高い確率で後鼻漏の症状が現れるとのことから、鼻や喉に異常が生じた際には、早期の受診が望まれる。
「鼻水が喉へ落ちてきてへばりついている感覚や咳払い、痰の絡む咳や声がかれるなどの症状を感じたら、後鼻漏の疑いがあります。当院を受診する50~60代の患者さんに多いのが、夜中に痰が喉に絡み苦しくなって何度も目が覚めるという症状です。また、会話中に咳払いや咳き込んでしまい、人と会うことがおっくうになり、結果、うつ病を発症するケースもあります」