新型コロナは「人の別れ」に大きく関わる…まだ安心できない
「青空の会(がん遺族の会)のつどい」という会報が届きました。夫や妻、家族が亡くなった方からのお便りです。
この冊子が届くと、毎回、一気に読むのは「こころのひろば~寄せられたお便り」のコーナーです。今回は、編集されている中野貞彦さんが、日本ホスピス・在宅ケア研究会の会報に「コロナ禍のもとでの最期のお別れを考える」と題して書かれた論文が同封されていました。そこには、「コロナ禍による厳しい制約のなかで医療者、スタッフによる最大限に最期の別れを意義あるものにしようという意識がみられた。しかし、コロナ禍の影響は顕著で、看取りのプロセスを共有する時間、接する機会が奪われて、社会的に強制された不完全な喪失がみられたといえる」とありました。
この会報を読んで、3年前に届いた某病院の看護部長からのメールを思い出しました。
「○月○日、看護師、病棟夜勤者が来なかったので、自宅に行き警察に部屋のドアを開けてもらったら浴室で倒れていました。自発呼吸はあり、近くの病院に運ばれたのですが、翌日に亡くなりました。脳梗塞でした。感染症病棟で働いていまして、心臓疾患の既往歴があるため、念のため○月より一般病棟に移動させたばかりでした。運ばれた病院では、コロナの疑いでPCR検査の結果が出る前に亡くなった場合はコロナ患者として処理されてしまうという説明を聞き、PCR検査の結果が出るまで待ってもらうよう説得して、1日その病院にあずかっていただきました。結果は陰性で翌日にお迎えに行きましたが、ビニール袋に入れられて返されました。ここまでしないといけないのでしょうか。まるで物です……せつないです」