手の「こわばり」は年のせい? 使いすぎ? それは違います! 更年期症状の可能性
このエストロゲン、体のあらゆる機能に関係している。よってエストロゲンの急激な減少や低値で、さまざまな症状(更年期症状)が出てくる。
「更年期症状というと、真っ先に思い浮かべるのが、ほてりやホットフラッシュではないでしょうか。しかし更年期症状は150種類以上あり、人それぞれ。20年以上更年期の女性の電話相談を受けている『公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会』の2018年の調査で、最も多い訴えは肩こり、腰痛、次いで手のこわばり、関節痛となっています」
エストロゲンの働きのひとつが、腫れや炎症の抑制だ。私たちの手には多数の骨があり、「腱」が筋肉と骨を結びつけている。腱は骨から離れないよう「腱鞘」で押さえられ、腱が往復するように移動して手指を動かしている。その摩擦で腫れや炎症が生じるのを、エストロゲンが抑制していると考えられる。
■安全で効果の高い対策あり
「ところが更年期以降のエストロゲン減少で炎症が抑制されないようになると、腱と腱鞘の摩擦が大きくなり、強い負担がかかる。それが継続すると手指の腫れ、痛み、しびれが現れ、長期に及ぶと関節の軟骨が痛み変形してしまうのです」