「今は休んで、後でやったら」夫の一言に妻の心は折れた
若い頃から専門職で働きながら、家庭では家事や育児をこなし、常に忙しかった知人女性のTさん。50歳を過ぎたあたりから更年期症状が表れ始めたそうです。幸い、子供たちは成人し、家事の負担はグッと減っていましたが、それでも、家のことは主にTさんが担っていました。
「比較的体力に自信があったのに、毎日、まるで重いペダルの自転車をこいでいるようで、しんどく、つらい日々でした」(Tさん)
そんなある日、夫婦2人の食事を終えた時のこと。汚れた食器があふれるシンクを見て気が遠くなり、疲れたとため息をつくと、夫から「今は休んで、後でやったら」。その一言に心が折れたとTさんは言います。
「今は休んで、後で“私が”するんだ。“俺がやるよ”じゃないのね。私がやるしかないのね……と。体調の悪さと重なり追い詰められた気持ち。後でやればという言葉が、とても冷たく感じたんです」(Tさん)
家事や子育てに対し、夫は他人事の感覚でいると、更年期で体調を崩して改めて気づいたTさん。いずれ自分たち夫婦も年を取り、2人きりの生活になる。その時は対等に支え合える夫婦でありたいと、Tさんは夫と家事の分担や今後について話し合ったそうです。