高血圧とお酒の関係…量だけでなく種類も影響するのか?
高血圧は生活習慣病と呼ばれています。血圧が上がる原因は体質などさまざまですが、食事や運動などの生活習慣が大きく影響することが分かっているので、そうした呼び方がされているのです。
塩分の摂り過ぎや肥満、運動不足などが高血圧の原因となることは、専門家の間でも見解が一致していますが、お酒の影響についてはまだ見解は割れています。「お酒を飲む量が多いほど血圧が上昇する」という研究結果は複数ありますが、お酒の種類によってその影響が違うのかについては、一致した結論に至っていません。赤ワインには動脈硬化を予防するような働きのあるポリフェノールが含まれていて、血圧には影響を与えない、というようなデータもあるからです。
今年のアメリカの内科専門誌に掲載された論文では、デンマークにおける10万人以上を対象とした大規模な疫学研究の結果が発表されています。それによると、アルコールをたくさん飲む人は、飲まない人と比較して、その量が多いほど血圧値は上昇していました。
ここでお酒を、赤ワイン、白ワイン、ビール、醸造酒などに分けて分析すると、お酒の種類と血圧との関係には大きな差はなく、どのお酒でも同じように血圧の上昇が認められました。「お酒は適量に」というのが健康のためには重要なことで、お酒の種類で健康への影響は大きく変わらないものであるようです。