「有料老人ホーム」と「サ高住」…費用と暮らしはどう違う?
前回、高齢者が自宅で暮らせなくなった時の選択肢として、特別養護老人ホームと老人介護保健施設を紹介した。
いずれも要介護認定が必要。公的施設のため各種サービスはありきたりのものになるが、収入が低ければ利用料金が安くなる。逆にそれなりの年金や資産を持っていると割高に感じる。そこで今回は一定の収入がある高齢者向けの民間施設に注目してみよう。
まずはよく耳にするであろう有料老人ホームだ。公的施設では実現しづらい個性豊かな物件が多く、健康型(食事などのサービス付き)、介護付き(介護などのサービス付き)、住宅型(生活支援などのサービス付き)の3タイプに分けられる。このうち、「健康であること」が条件の健康型は全体の1%以下と極めて少ない。費用も高く、都心の高級物件だと、入居時に軽く億単位のお金が必要になる。
残る介護付きと住宅型は、介護の必要性で分けられているように思えるが、実際は両者とも自立~要介護5まで受け入れているケースが多い。異なるのは介護付きだとホームが提供する介護サービスを利用できるのに対し、住宅型は地域の訪問介護などの外部サービスを利用する点だ。