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西内義雄医療・保健ジャーナリスト

医療・保健ジャーナリスト。強みは各地に顔見知りの保健師がいること。両親&義両親の介護・看取りを経験。

「自宅で最期を」に固執しすぎると、もしもの時に慌てふためく

公開日: 更新日:

 高齢者の話題でよく聞かれるのが「自宅で最期を迎えたい」との言葉だ。施設じゃない、病院でもない。家族や友人に囲まれながら好きな場所に暮らし続け、最後まで自分らしさを失いたくない気持ちの表れだ。

 子供としては、できるだけその思いを実現させてあげる努力をしたい。けれど実家に暮らし続けることのみに固執していると、病気やケガで親の老化が一気に進んだ時、自宅の改修では対応しきれず慌てふためくことになってしまう。転ばぬ先のつえの言葉にあるように、一度は高齢者向け住まいについて確認しておこう。

 まず覚えておくべきは公的施設の特別養護老人ホーム(特養)だ。原則65歳以上・要介護度3以上の自宅での生活が困難な人が入居対象で、収入が少ない人ほど低料金で利用できる。部屋は新しい施設ほど個室タイプが多く、より安く利用できる多床室は減っている傾向がある。それでも終身利用が可能のため、年単位の順番待ちが発生しているところが珍しくない。

 利用料金は個室で月額6万円~と数字だけ見れば安価だが、介護保険限度額負担割合証が適用されない人(第4段階)は15万~20万円超に跳ね上がる。

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