長寿研究のいまを知る(11)やせる2型糖尿病薬と長寿との関係…抗がん剤より副作用が少ない

公開日: 更新日:

 さらに、加齢に伴うフレイルの改善や、早老症マウスの寿命の延長なども観察できたとも報告している。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。

「繰り返しになりますが、細胞の老化は分裂寿命を迎えなくても、放射線や有害物質などによってDNAがダメージを受けたり、がん遺伝子が活性化した場合に起こります。細胞は老化することで、自らが異常な細胞となったり、がん化したりするのを未然に防ぎます。通常、分裂しなくなると、SASP因子と呼ばれる炎症物質を分泌することで免疫組織を活性化して、自ら除去するようにプログラムされています。しかし、何らかの理由でこのプログラムが滞ることが老化が進む原因のひとつと考えられています。そこで、がん細胞と同じく老化細胞の表面にも発現する免疫チェックポイント分子を抑制させる、がん治療薬・免疫チェックポイント阻害薬が老化細胞除去薬のひとつとして関心を持たれています。しかし、がん治療薬ですから副作用が大きい。そこで、メトホルミンやSGLT2阻害薬などの研究が進んでいるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇