1932年福岡県生まれ。早稲田大学文学部ロシア文学科中退。66年「さらばモスクワ愚連隊」で小説現代新人賞、67年「蒼ざめた馬を見よ」で第56回直木賞。76年「青春の門 筑豊篇」ほかで吉川英治文学賞を受賞。2002年には菊池寛賞、09年NHK放送文化賞、10年毎日出版文化賞特別賞を受賞。本紙連載「流されゆく日々」は16年9月5日に連載10000回を迎え、ギネス記録を更新中。小説以外にも幅広い批評活動を続ける。代表作に「風に吹かれて」「戒厳令の夜」「風の王国」「大河の一滴」「TARIKI」「親鸞」(三部作)など。最新作に「新 青春の門 第九部 漂流篇」などがある。
連載11470回 遠眼鏡を逆さまに <4>
(昨日のつづき)
ロシアからの国外逃避者の波がとまらない。28日の朝刊にのっている一枚の写真に注目する。APからの配信写真だ。
27日、ロシア国境をこえ、ジョージアに入国するロシア人たちの群集写真である。
ロシア人の群集が国境ゲイトを通過している写真だが、よく見ると女…
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