ファンケル、ライオン…社員の「がん対策」に熱心な企業の充実メニュー
【ポーラ・オルビスG】任意継続者も補助
一方、社員の8割近くを女性が占めるポーラ・オルビスHDでは、女性向けの対策を充実させている。
ポーラ・オルビスグループ健保組合常務理事の竹中俊明氏が言う。
「たとえば、乳がん検診については、マンモグラフィーと超音波を選択できます。年齢や体格などによって使い分けが必要なこともあり、女性の産業医が相談を受け、マンモと超音波を1年ごとに交互に受けている方もいます。がんではありませんが、婦人科オンライン診療の仕組みを導入。生理や更年期症状などの相談をしやすい環境を整えることで、実際の受診を促し、将来的な婦人科がんの早期発見になることも期待しています」
ポーラは、被扶養者や退職任意継続者にも、従業員と同じがん検診を同じ補助率で行っていて、より精密な3Dマンモ(一部自己負担あり)を受診できる医療機関とも契約しているというから至れり尽くせりだ。
【ライオン】有給休暇は最大100日
治療と仕事の両立はどうか。この部門で表彰されたライオンの人材開発センター健康サポート室の五十嵐章紀氏が言う。
「仕事中に治療を受けられやすいように7~21時の間でフルフレックス制度を導入しています。また、年次有給休暇のほかに、余った有給休暇を積み立てて利用できる医療介護積立休暇制度も整備。2つを合わせると最大100日の有給休暇を取得できます。生産現場では、事務職と異なり、社員の裁量で就業時間を調整することが難しい。そのため、生産現場の社員は『生産職お助け休暇制度』を使用すると、30分単位で一時休暇を取ることができます」
放射線治療中などには、産業医が主治医の診断書をもとに「就業制限」ならびに「遅刻・早退の特例措置」に関する意見書を発行。これがあれば部内での時短勤務の運用がスムーズになる。