ジャーナリスト鈴木哲夫氏は間近で見た 石破茂氏「防災省」提言の熱意と本気度

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「かつて国土庁に防災局があり、それなりに恒常的な組織だったが、いま内閣府にある防災担当は各省庁から概ね2年の期限で出向した職員約100名で構成されている。いかに彼らが優秀で懸命に働いていても人数が決定的に足りず、経験や知識の蓄積と伝承に難があることは明白。防災省のような恒常的な組織を作り、その長にはこれまでのような担当大臣ではなく専任の国務大臣を置き、その大臣は、専門的な知識と経験を有する人たち、たとえば民間の専門家や学者など議員以外も含めて専門集団を作り、内閣改造や政権交代に関わらず長期にわたって防災専門の官僚やチームを確立する――、そんな運用も検討に値するのではないか」

 それでなくても、日本は縦割りで、災害が起こるたびに各省庁が補正予算を請求する。知見の蓄積できなければ、災害対応資材の計画的な備蓄もできない。地方自治体との連携もできず、各々の役所がバラバラ、場当たりでやってきたのが日本の災害対応なのである。鈴木氏は著書でこう書く。

《石破氏は防衛相も務め「有事」や「危機管理」と向き合った。地方創生相としては、各省庁にまたがり省益でガチガチの地方関連予算や法律に横ぐしを刺し効率的に予算が使えるように一元化に力を注いだ。「有事」に「危機管理」に「横ぐし」……、それらの経験があるからこそ、「防災省」という組織の具体的な形がはっきりと見えているに違いない。》

 自民党総裁選が迫るいま、候補者たちに「防災省」についても議論して欲しい。

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