富山市立図書館本館(富山県)アルミ、ガラス、御影石の内側は杉と和紙の柔らかく温かな雰囲気
まずは外観の写真をご覧いただきたい。
銀色や黒っぽい色の光沢あるパネルに覆われた建物は複合施設の「TOYAMAキラリ」。その中に富山市ガラス美術館と併設されているのが富山市立図書館本館だ。2015年に開館した。
「外壁はアルミ、ガラス、御影石のパネル約1000枚を組み合わせたものです。アルミとガラスは富山を代表する産業で、御影石は旧富山第一銀行本店の外壁と同じ白い御影石を使用しています」(富山市立図書館本館の工藤崇人さん)
外観の硬質なイメージは館内に入ると一転する。富山県産の杉材や和紙がふんだんに使用されていて、柔らかく温かい雰囲気に包まれる。
建物の中央は「スパイラルボイド」と呼ばれる吹き抜けで、杉材によって螺旋を描きながら立体的な空間をつくり出していて、吹き抜けの南側が美術館、北側が図書館になる。
3階は絵本などの児童図書フロア、4階は小説や実用書などの一般図書フロア、5階は辞典や郷土資料、新聞、雑誌などの参考図書フロアで開架冊数は計15万冊。書庫の閉架図書も含めて蔵書は計45万冊だ。
「館内には窓際席、ベンチ席、パソコン専用席など約500席あり、開放的な空間で資料を閲覧したり、仕事の資料を作成したりすることができます」(工藤さん)