会津若松市立会津図書館(福島県)蔵の中で会津の歴史や文化に触れる
戊辰戦争や白虎隊で知られる会津藩。
会津若松市立会津図書館は、中央公民館との複合施設である会津若松市生涯学習総合センター(愛称は會津稽古堂)の2階にあり、2011年にオープンした。
建物は歴史を感じさせる同市のシンボルともいうべきデザイン。特徴ある外観について、会津図書館司書の成田陽子さんがこう説明する。
「會津稽古堂は蔵をイメージして建てられたものです。情報を集めるだけでなく発信していく、新しい学びの蔵をモチーフにしています」
フロアの中央にエスカレーターとエレベーターがあり、カウンターに向かって右側が「こどもとしょかん」、左側が「一般図書フロア」。こどもとしょかんの奥には赤ちゃん向けのおはなし会や昔語りをするかたりべ会が行われたりする「おはなしのへや」、一般図書フロアの奥には中高生向けの「ティーンズコーナー」がある。そこでは年2回、会津若松市内の中高生が選んだお薦めの本を展示している。
その他、ピックアップ展示、テーマ展示、ミニ展示など共通テーマの本を集めたコーナーが複数あるのも特徴のひとつだ。
「現在のテーマ展示は『蔦屋重三郎とその時代』と題して今年の大河ドラマの主人公・蔦屋重三郎や江戸の暮らし、文化に関する本、ピックアップ展示は『1年を考える本』でタイトルに手帳、カレンダー、暦と付く本、ミニ展示では直木賞と芥川賞の受賞作、候補作を並べています。展示コーナーはそれぞれ1、2カ月ごとにテーマを変えます」(成田さん)
最大の特徴は郷土資料の充実
蔵書は閉架書庫も含めて約30万冊。最大の特徴は郷土資料が充実している点だ。
「会津の歴史や文化に関する郷土資料は豊富です。図書館の中だけで閲覧できる資料と、貸し出しが可能な資料を合わせると約4万冊。会津藩や戊辰戦争、白虎隊などの調査研究のために全国各地から来館される方も多く、電話やメールによる問い合わせもあります。明治から昭和にかけて市内で発行された地方新聞をデジタル化しており、館内のパソコンで閲覧することもできます」(同)
先祖調査の依頼もあるそうだが、自宅にいながら「会津若松市デジタルアーカイブ」で公開している会津藩士の家系図や幕末の城下地図などで調べることもできる。
フタ付きの飲み物であれば、学習スペースでのみ可。本や新聞、雑誌を閲覧できる席は130ほどあり、ゆったりと過ごせる。
●住所 福島県会津若松市栄町3-50(電0242-22-4711)
●開館時間 9~19時(日曜祝日は18時まで。月に1、2回ある休館日はホームページの年間カレンダーを参照のこと)
●アクセス JR会津若松駅から徒歩20分。最寄りのバス停(神明通り)下車徒歩5分