ガルデリア共同創業者 谷本肇CEO(1)サッカーの名門高校から慶大に
大学は東京の大学と決めていたという。親元を離れ、上京したいと思ったからだ。
「上京するためには両親を説得しなければならなかった。名古屋というのは、東大や京大よりも名古屋大学に行った方が親が喜ぶ土地柄なんです。だから、名古屋大と同じぐらいのレベルの大学に行かないと親としても送り出した甲斐がない。最初は国公立を考えたのですが、サッカー漬けの生活を送っていたのでセンター試験の勉強をする時間がなかった」
■大手の内定を蹴って、大学院へ進んだ理由
慶大文の入試は、英語と歴史、小論文だけだ。英語が得意だった谷本は慶大文にターゲットを絞った。無事、慶大に入学。就活時、大手電機メーカーから内定をもらったが、内定を蹴って、そのまま慶大大学院経営管理研究科(慶応ビジネススクール)に進んだ。
「大手電機メーカーの内定をもらった時、この会社に入ったら将来どうなるのか考えました。『楽しく仕事をするだろう。うまくすれば出世するかもしれない。ヘマをしなければ役員になる可能性もある。運が良ければ社長になれるかもしれない』なんて考えているうちに、ふと『そんな人生が本当に面白いのだろうか』と思ったんです。結局、他にも優秀なやつがたくさんいて、自分が社長になろうが、他の人間が社長になろうが、この会社にとっては、あまり大きな違いはないんじゃないかと。だったら、オンリーワンのキャリアを歩んでみたいと思うようになり、一回、仕切り直しをしようと大学院に進んだわけです」 (つづく)
(経済ジャーナリスト・松崎隆司)