ダイハツ工業(下)不正が行き着く先は…軽自動車再編へスズキと統合か
白水氏は11年に会長職を退いた後も、16年まで相談役技監という肩書で、事実上のトップとしてダイハツに君臨し続けた。
白水氏はトヨタの出身だが、彼のエネルギーの原動力は「アンチ・トヨタ(トヨタの否定)」だった。トヨタが営々として築き上げてきたケイレツ(系列)の解体を主張した。「生き残るために系列を解体して、1台当たりのコストを削減する」を言行一致でやってみせた。アンチ・トヨタを標榜するものづくりへの執念は、当然の帰結だが、「社内外に軋轢を生んだ」(トヨタ&ダイハツの関係者)。
トヨタはダイハツを完全子会社にすることを急ぎ、「白水天皇」の放逐という荒療治を断行した。
トヨタはダイハツの永遠のライバルであるスズキと資本・業務提携した。トヨタとスズキは創業家同士が親密だ。事実上、スズキはトヨタの傘の下に入った。次にくるのは何か?
トヨタグループの日野自動車の不正は、三菱ふそうとの統合という大型車(トラック)再編に結び付いた。
ダイハツの不正の行き着く先は、スズキとダイハツの軽自動車の合併。軽の世界で100年に一度の大変革をもたらす可能性が高い。