ニチイHD(上)日本生命保険による買収の舞台裏
大手生命保険会社による非保険分野の企業買収の動きが目立っている。国内で少子高齢化が進み保険事業だけでは収益拡大が難しくなっているためだ。収益の多様化を図るためのM&Aである。
住友生命保険は2023年12月8日、生活習慣病などの医療データの解析や改善支援を行うベンチャー、PREVENT(プリベント)を買収した。第一生命ホールディングスは企業の福利厚生代行を手掛けるベネフィット・ワンの買収を巡り、医療従事者向けサイトを運営するエムスリーとTOB(株式公開買い付け)合戦を繰り広げている。
日本生命保険(清水博社長)は23年11月29日、介護大手のニチイ学館(森信介社長)を傘下に持つニチイホールディングス(HD、同社長、非上場)を買収すると発表した。買収金額は2100億円。手元資金で対応する。
日生が米ベインキャピタル系のファンドやエフィッシモ・キャピタル・マネジメントなどが間接的に保有するニチイHD株式99.6%を取得することで合意した。買収手続きは関係当局の認可・承認を得て進める。