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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

もしも最新ポルシェでパリダカに出たら…クルマ好き、ラリー好きの空想が現実に!

公開日: 更新日:

ポルシェ 911 ダカール(車両価格:¥30,990,000/税込み)

 ある意味とんでもない夢グルマに乗ることができた。それはポルシェ 911 ダカール。車両価格3099万円、世界限定2500台!

 価格や台数だけじゃない。この規格自体が非常にユニークなのだ。

 実はこのクルマ、ドイツが誇る本格スポーツカー、ポルシェ 911の限定オフロードバージョンだ。ただし、単にエンジンをチューンしたとか、足周りをイジったカスタムではない。ある種「もしものコーナー」みたいなものであり、「クルマ好きの空想」を具現化したものなのだ。

 なぜならポルシェが最新911で現代の過酷なクロカンラリー、ダカールレースに出る予定はない。だが911 ダカールは、まさに「もしも最新911で本格ラリーに出たら?」というガチなカスタムが外観から内装からパワートレインまで施されている。

 それは1984年に往年の911の四駆実験車がパリダカに出て、いきなり総合優勝した伝説に基づいている。911 ダカールのラリーデザインパッケージに含まれる「Roughroads PORSCHE」というロゴやカラーは、今は出せない当時のタバコスポンサーのデザインだし、953なる番号も911四駆実験車の型式コード。

ボディ、タイヤ、ドライブモード…すべてが異様に本格的

 そのほか、カスタムは非常に本格的。現行四駆モデルの911 カレラ 4 GTSをベースに、3ℓフラット6ツインターボの480ps&570Nmのピークパワー&トルクや8段ギアはそのままに、車高は通常状態で911スポーツサス仕様より5cmも上がっており、最低地上高は161mmとSUV並みだし、スイッチ1つでさらに3cm車高が上がる。

 またボンネットや大型リアスポイラー、リクライニングのないフルバケットシートはカーボンブラスティックで作られ、軽量高剛性でガチにこのままレースに出られるクオリティー。ボディ前後パンパーやサイドシルには一部本格的なアルミ構造入りステンレス製プロテクションが取り付けられ、さらにオプションのラリースポーツパッケージを加えると、6点式シートベルトとリアシートを埋め尽くすスチール製ロールバーと消火器が付く。

 タイヤも驚くほど本気で、ピレリ専用開発の大口径オールテレインタイヤと、これまた専用開発の鍛造ホワイトホイール付き。

 ドライブモードも通常のセレクトに加えて、駆動力配分がリア寄りとなる「ラリー」と車高が自動的に上がる「オフロード」の2つの専用モードが選べ、異様に本格的だ。

 まさにプロのラリードライバーがこのままパリダカやラリーレイドに出てもおかしくない仕様なのだ。

街乗りでも意外に快適

 もちろん、これを買う人は恐らく世界のポルシェマニアなので大半は普通に街乗りで使うだろうし、実際に乗ってみると意外なほど快適。軽量ガラスを使い、防音材や遮音材を削っているのでエンジンサウンドは大きめだが、乗り心地は意外にしなやかで通常の911より良好。それでいてリアエンジン車ならではのシャープなハンドリングも楽しめる。

 個人的にはこれにスタッドレスタイヤを履かせて雪道走らせたらさぞかし面白そうだし、林道を走らせたらサイコーだ。

 何よりこの価格、一見高く思えるかもしれないが、ドイツのポルシェには世界の金持ちからワンオフモデルを受け付けるカスタム部門があり、そこに最新911ベースの四駆オフロード仕様を作らせたら1台1億円は下らないはず。

 それを「ダカール仕様」ってことで2500台作ったから3099万円で買えるわけで、趣味がハマる世界のリッチマンからしたら逆に安いとすら思えるに違いない。

 ま、最も既に限定台数はとっくに売り切れてるって噂なんで、余計な心配かもしれませんけど(笑)。

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