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渡辺周Tansa 編集長

日本テレビを経て2000年に朝日新聞入社。17年にワセダクロニクル(現Tansa)を創刊、電通と共同通信の癒着を暴く「買われた記事」で、日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」。寄付で運営し非営利独立を貫く。ご支援を! https://tansajp.org/information/10731/

冷戦終結後に日米軍需産業が動き出し「武器輸出禁止」の骨抜きが始まった

公開日: 更新日:

政治のみこむ軍産複合体(3)

 日本の軍需企業にとって、「目の上のたんこぶ」がある。

 武器輸出3原則だ。1967年に首相の佐藤栄作が表明した。以下の3つの場合は武器が輸出できない。

・共産圏諸国向けの場合
・国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合
・国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合

 76年には首相の三木武夫が、国会で武器輸出を禁止する目的について、「平和国家としての我が国の立場から、それによって国際紛争等を助長することを回避するため」と明確にした。

 経団連・防衛生産委員会事務局長の佐々木実智男は、93年2月15日付の日本工業新聞に手記を寄せ、「武器輸出については、今後とも解禁となる可能性はなく、また、防衛産業界から、武器輸出の解禁について働きかけを行う予定はない」と述べた。その理由の一つとして、世論の反発を挙げた。

「わが国の世論が概ね武器輸出に反対しており、特に、輸出した兵器が実際に使用され、相手方兵士等を殺傷した場合、世論の反発は極めて大きなものになると予想される」

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