「冷戦後も発注減らさないで…」三菱重工会長が93年10月、防衛庁長官に要請した
政治のみこむ軍産複合体(2)
1989年12月、ソ連のミハイル・ゴルバチョフ書記長と米国のジョージ・H・W・ブッシュ大統領が地中海のマルタ島で会談し、冷戦の終結を宣言した。
翌年4月9日の衆議院予算委員会。当時は野党だった公明の市川雄一議員が、首相の海部俊樹を質す。
「米ソ首脳が冷戦終焉を確認している。世界情勢が大きく変わった。そういう中で前年度比6.1%も防衛費を増やす必要はあるのか。あるいはこれからの防衛力の整備に当たって、アメリカも1800億ドルですか、防衛費の削減を3年ぐらいでやる、こうおっしゃっている。ソ連もかなり防衛費を削ろうとしている」
海部の答弁は曖昧だったが、「大きな方向としては、委員の今申されたことと私は近いのではないか、こう思いながら承っておりました」と言った。