大阪万博まで1カ月で異常事態! リングの盛り土ボロボロ削れ浸水被害の恐れ…識者は台風や高潮を危惧

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■“歯槽膿漏”のように土台むきだし

 協会はリングが地中約60メートルの固い地盤から伸びる杭と基礎によって支えられているとして「安全性に問題はない」と主張しているが、「想定外」に不安は拭えない。大阪府は2018年、最大風速40メートル以上を記録した台風21号に襲われ、甚大な被害を出した。建築エコノミストの森山高至氏が言う。

「水に土砂が取られる『洗掘』が生じたのではないか。万博会場周辺は海から仕切られているので、協会は『波が来ない、凪だろう』と考えて対策を怠ったのでしょう。洪水防止などの目的で河川の側面に設置する『蛇籠』で補強するのが一般的ですが、重量があるので簡単な工事ではありません。対策を誤れば、リング下の盛り土はどんどん削れ、歯槽膿漏のように土台がむき出しになる。台風や高潮によってリング下が浸水し、一部通行止めになることも考えられます」

 盛り土が削れ浸水すれば、リングの一部は海中に没する。厳島神社の大鳥居のようにそびえたてば、それはそれで「映え」そうだが……。

  ◇  ◇  ◇

 関連記事【もっと読む】では、大阪万博パビリオンで危惧される突貫工事の過酷労働について詳しく報じている。

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