有権者に線香配布の自民・茂木敏充大臣 議員辞職から逃れられるのか?
苦しい弁明だ。茂木敏充経済再生相が選挙区の有権者に、線香や衆院手帳を配っていたと「週刊新潮」に報じられた問題。29、30日の衆院予算委員会で、茂木大臣は配布について認めたが、「政党支部を通じた政治活動」であり、秘書らが配布したものの「配ったものに私の氏名は入っていない」として、公職選挙法違反には当たらない、と言い張った。
公選法199条の3によると、候補者が役員を務める団体は、候補者の氏名を表示、または類推されるような方法で選挙区内の者に寄付してはならない。ここで“キモ”は「類推」だ。氏名がなくとも秘書が配布すれば、有権者は普通「議員本人の代わりに来た」と思う。
公選法を所管する野田聖子総務相は、なぜか29日の予算委では、この「類推」の部分を飛ばして条文を読み上げた。30日、そこを野党に指摘されると、野田大臣は苦笑いした後、あらためて条文を読み上げ、「類推とは、例えば会社名を記載することによって、候補者である社長名が類推されるような場合」と説明したのだった。
まるで、茂木大臣を擁護するためのような弁解なのだが、総務省もこれに沿って〈秘書が、氏名の表示のない政党支部からの寄付を持参することは、直ちに「氏名が類推される方法」によるものとはいえない〉という見解を予算委理事会に示した。