球界で話題の論文著者が語る 「年俸と順位と観客数の関係」
3月28日に開幕したプロ野球で、ある論文が注目を集めている。近畿大学産業理工学部経営ビジネス学科の黒田次郎准教授が書いた「日本プロ野球球団における成績・選手賃金(推定年俸)・観客数の関係について」だ。黒田氏に執筆の意図と、その内容について聞いてみた。
――なぜ、この論文を書こうと思ったのですか。
「プロ野球というものは複数の球団がなければ成り立たない、共存共栄の世界です。普通の産業ならば1社の独り勝ちでも構いませんが、プロ野球ではそうはいかない。いくら巨人や阪神が人気球団で、と言ったところで戦う相手がいなければ始まらない。そこで01年から分析が可能な11年までのデータを使い、検証しました」
――データを見ると、巨人の数値が頭1つ抜けています。
「巨人の年俸平均は約46億円(以下、年俸は推定)で12球団1位。2位の阪神が約35億円ですから、10億円以上もの差がある。巨人の総年俸が最も低かった年でも、約37億円もある。平均観客動員数も約320万人で12球団トップです」