球界で話題の論文著者が語る 「年俸と順位と観客数の関係」
――11年間で平均順位こそ2.5位とセで2番目ですが、優勝回数は中日と並んで4回。中日とは集客数で約100万人の差がある。まさに独り勝ちになっています。
「セとパを比べてみれば年俸=順位となっているのは一目瞭然です。セの平均年俸最下位は約18億円の広島で1位巨人の半分以下、約28億円もの差がある。順位も広島は4位が最高。最高3位の横浜(現DeNA)と並んで、一度も優勝していない。一方、パは年俸1位のソフトバンクが約32億円で、最下位楽天の約20億円とは12億円の差。2位西武と楽天では7億円の差しかない。その上で順位を見ると、近鉄を含めた5球団が01~11年の間に1度は優勝している。残り2球団、楽天とオリックスも最高順位は2位です」
――年俸に差の少ないパは混戦になりやすく、格差の激しいセは強者と弱者が完全に分かれてしまっている。
「観客数もセは巨人、阪神、中日の上位3球団とそれ以外で二分されていますね。パはそうでもない。順位と年俸がそれぞれ4位と5位の日本ハムが、観客動員では2位につけている。ロッテも年俸だけを見れば3位ですが、順位と集客はいずれも5位。集客については本拠地のある都市の人口や立地などもあるので、どこまで順位・年俸と比例しているかは難しいところではあります。それでも年俸格差の激しいセでは顕著な数字として出ています」